【リリー・フランキー(りりー・ふらんきー)】

世間では「リリーさん」と呼ばれている。僕がリリーさんを知ったのは遅かった。名前は知っているけどそれ以上興味を抱くことがない学生時代を過ごし、大学を卒業した年(2005年)に、リリーさんは『東京タワー』という小説を出してベストセラーになった。それを読んだのとほぼ同時期だと思うが、J-WAVEの深夜にやっていたラジオ番組を聴いた。後にも先にも、何気なく付けたラジオで誰が喋っているのかも分らないのに笑い続けその番組を毎週聴くようになったことはない。それぐらいのショックを受けた。それまで聴いて来たラジオのどこにも分類できない面白さ。ネタコーナーもなければ台本も一切なしの2時間半。なんなんだこれは。そのパーソナリティがリリーさんであることを知ったのは確か3週目ぐらいだった。その当時、僕は結婚もしていないし、恋人もいなかった。週に一度の深夜0時半からの番組だけが楽しみだった。あの類の楽しみを、僕はあれ以来一度も経験していない。その年の10月にTBSラジオで番組構成の仕事を頂き、その現場で一度だけリリーさんにお会いしたことがある。向かいに座るリリーさんに「ラジオ、毎週聴いてます」と言った。その晩は興奮して眠れなかった。その時の放送はMDに録ってあり、宝物です。

<2010年4月19日 14時52分 馬事公苑のファミレス>