002:国立劇場 6月 民俗芸能公演「東北の芸能Ⅲ 福島」

父が上京してきた。

地元の伝統芸能の東京公演を観るためである。

演目は4つある。

 

1.檜枝岐 檜枝岐歌舞伎の寿式三番叟(ひのえまたかぶきのことぶきしきさんばそう)  

 【千葉之家花駒座】(県指定重要無形民俗文化財)

2.南相馬 村上の田植踊(むらかみのたうえおどり)

 【村上田植踊保存会】

3.南会津 栗生沢の三ッ獅子(くりゅうざわのみつじし)

 【栗生沢若者団】(県指定重要無形民俗文化財)

4.郡山 豊景神社の太々神楽(とよかげじんじゃのだいだいかぐら)

 【豊景神社の太々神楽保存会】(県指定重要無形民俗文化財)

 

私もチケットを貰って観た。

本来それぞれが何時間もある長尺ものを短縮版で上演しているため、ものさびしく感じた。

演目より驚いたのが、【3】と【4】の間で、父の一言である。

「外でお茶するか」

劇場に足を運ぶより、彼にとっては東京見物が勝ってしまったのだ。

「まだ途中だ。最後まで観るべ」

と答え、結局、ラストまで観た。

民俗芸能自体は素晴らしい演目なのかもしれないが、国立劇場ではアウェー感が漂っていた。

地元の祭で観た方が雰囲気がいいに違いない。そう感じた。

隣村出身ながら【栗生沢の三ッ獅子】があることを今日、初めて知った。

幕間に入る司会が

「セリフは呪文の効果がある秘密の言葉なので非常に聞き取りづらくなっています」

と言っていたが、まさに何を言っているのかはわからない。

若雄獅子と老雄獅子が雌獅子を巡っての闘いの話で、かなりのシーンをバトルに費やしている。

この茶番劇はプロレスの原形だ。

<2013.6.10>

001:『独立国家のつくり方』をイメージで読み間違える

『独立国家のつくり方』が以前から気になっていた。

本屋で見かけて

「何このタイトル。しかも売れてるし」

と思っていたのだけど、結局買わずにいた。

それから数ヶ月が過ぎ、近所の図書館に行って収穫なしに帰ろうとした時、返却本のコーナーで『独立国家のつくり方』を見た。

読む前は、

 

 「原始へ還れとかアニミズム的な話。無人島で独立して暮らす」

 

というイメージでいた。

読み始めると、どうも違う。 いや半分くらい合っていたのか。

著者の坂口恭平さんは頭がいい人だ。

私がいう「頭がいい」は、勉強ができるというよりか、価値観の色眼鏡を外して行動に移せることです。

 

独立国家作りの一例 ≒ 移動式の家を作ること。

 

日本の憲法では不動産に税金がかかるが、移動産にはかからないという。

畳一畳分くらいの板に車輪をつけて上に小さな家を作ったものを、著者はモバイルハウスと呼び、これに住めば自動車税も土地代もかからないというのだ。 知らなかった。

東京に暮らしていると、高い家賃を払い続けなければならない。

 

「ただ住むこと」

 

にお金を払う。

当たり前とされてるけど、当たり前じゃないよなと常々感じていた。

世の中の常識には、よくよく考えるとおかしいことはたくさんある。

この本にはホームレスの人から学んだという智慧に溢れている。

「家がないことは、この地球が家であるということ」

確かにそう言える。

自分が所有していると思うから、他人に渡す(盗られる)のが嫌になるのかもしれない。

 

「財産」

「恋人」

「名誉」

 

自分のものだと幸せを感じますが、仏教でいう「自分が怒りを作る」という話や「無常」という話に通底している。

家だって、高い家が壊れたら大変だけど、モバイルハウスは20,000円くらいで作れるらしい。

大きなスパンでみれば、何だって泡だ。

泡ができてはじけるのだ。

 自然の法則に従って、思いついたことをこの人はやった。

それを自分の生活に、フィードバックできるのかを考えた時。

「決めつけないこと」はやっぱり大事だなと感じた。

「自分は今これをしなければいけない」等と決めつけていると、瞬間のチャンスを逃し、柔軟に反応できない。

僕はモバイルハウスにいきなり住むことは抵抗がある。

寒いから、暑いから、世間の目があるから。

ただ、本書はモバイルハウス生活という「選択肢」を教えてくれた。

 

文章からも巷の動画からも、坂口さんの才能は溢れている。

彼は躁鬱病と自称しているが、それも伝わってきた。

3.11震災後、彼は郷里・熊本に帰り八面六臂の活動をしているようだ。

 

「絆」

という言葉はとても素晴らしい言葉のように見えて気味が悪い言葉だなと感じたのを思い出した。

「親切」や「優しさ」が既にある後につく「絆」は蛇足でないか。

と天邪鬼ながらに思った。

結局、人は個であって、その関係で友情、愛情が発生する瞬間的なものでないだろうか。

 

<2013.5.4>