特別寄稿 五十嵐祭旅

つい先日、ウェブ歩行編集長の結婚披露宴改め「本の大交流会」が青山のスパイラルホールで開かれた。私は司会を頼まれていたので、開場1時間前に着いた。

新婦しかおらず、少し経って新郎が戻り、受付係、ロッカー係とスタッフも揃い始めた。

スタッフの中で圧巻だったのが山谷さんで、式用の服、交流会用の本を置いて来たそうで、フォーエバー21や青山ブックセンターで揃えたそうである。

「バッチリでしょ」

と本人は語っていた。

姿も本、どれも間違いない。

慌てん坊だが、なんとか間に合わすタイプだ。

山谷さんからは逆に

「何で普段着?」

と質問を受けた。皆がフォーマルスタイルの中、カジュアルな格好で来ていた私は浮いてしまった。

「あははバカだな」

と笑っている奴こそが、バカというのはよくあることだ。

開演までの時間、プロジェクターから思い出のスライドショーが流れていた。

新郎が新婚旅行中、田舎の川で泳いでいた画像が映った。

熊野に行ったそうで、通だなと思う。

今思い出したが、彼はカナヅチのはずだ。熊野の力が、彼を泳がせたのだろうか。

 

ほどなくして式が始まった。始まったというより、私が始めた。慣れていないので声が上ずる。

式を始めて、すぐに新朗新婦の恩人が祝辞を読み上げた。

新郎の指導教官である武田先生は「配偶者」についての話をされていた。

「偶」然、「配」られた「者」と、書くでしょうと。

そこから武田先生は「偶然」の話をし、それを受けて新婦側の恩師・岩松先生は「必然」について語っていた。

返しがうまいなと思った。

それを受けて話を続けると

「右往左往」

という言葉がある。通常は「迷い」を指した言葉だが、かの糸井重里氏が

「右往左往と言うけれど、右を選んだとしても、左を選んだとしても、それが最善であったとしましょうよ」

みたいな話をしていた。

これは先日行った青山にある老舗書店、山陽堂のイベントでのことである。

話は脱線したが、偶然か必然かは知らないが、目の前にあることが事実である。

おめでとう。

新婦友人の高野氏によるハープの演奏があって、「本の大交流」が行われた。

アイポッドをスピーカーに通しアップテンポな曲を流す。

約80名が持ちよった本をフルーツバスケットの要領で輪になって本を回す。

 

音が止んだ。

 

私の手の中にあったのは『ファンタジア(著・ブルーノムナーリ)』

式は終わり、久々に再会した友人同志が多いようで、各々が各々の二次会に向かった。

 

私は3ケ所に顔を出した。

最後に顔を出したのは新郎新婦他3名のグループで

「彼(新郎)は昔からエネルギーはありました。ただ、いい方に向かうこともあれば悪い方に向かうこともありました。ただ彼女(新婦)とあって、いい方に向くようになったんじゃないですかねえ」

と話をしたところ、

「何で式の最中に言わないの?」

と駄目だしを受けた。

 

タイミングというやつがとてもむつかしい。

<2012.2.18>