おなかがすいたよ

12 レモン

レモンの小さな苗木を買ってから3回目の春です

近くの植木屋さんでよさそうな苗を選んでもらい購入

地植えにするなら少し大きくなってからのほうがいいよと言われ、植木鉢に植えました

レモンはあらゆる虫を呼ぶようで、「害虫対策」が必要らしいときいていたので

サンルームに置くか、外に置くか・・・

迷ってひとまず外に置いてみたところ、翌朝には三種類のあまりかわいくない虫がすでについているのを発見、

即サンルームに移動させました


最初の年は、レモンの花の、つややかな甘い香りにうっとりしたものの、屋内なので受粉させてくれる虫もなく

当然ながら実はつかず

翌年は、花が咲いたら指でちょんちょんと受粉させてみたところ、花の後にふたつ、小さいふくらみが!

水やりに気をつけて成長を見守り、今年2つの黄色い実を収穫できました


ひとつは楽しみにしてくれていた義父に

ひとつはわがやで

今朝包丁を入れてみたら、やさしいすっぱい香りがただよいました

お湯にしぼってみたら、すこし青っぽい香りながら、りっぱなレモンの味


今年も花が咲くのがたのしみです


<2015.03.27>

11 満月ケーキ

前回ご紹介したマドモワゼルいくこさんの『秘密のケーキづくり』に「満月ケーキ」なるものがあります

いくこさんからのコメントに「絶対に作ってみてくださいね」とあったので、これは絶対作らねばならないのか・・・と思い、作ってみました


満月ケーキの名前の由来は、チーズが入って、まるで満月のように黄色く、まるく焼きあがるからとのこと


プロセスチーズを焼きこんだケーキです

KRAFTの「切れてるチーズ」を入れ込んで、焼いてみました


焼きあがったら、チーズのいいにおい!

これはチーズがとけているあつあつで食べるべきケーキです!

口に入れると、チーズがとろっと溶けていて、すこし塩気もある甘さがちょうどよく・・・

冷めたら、トースターかレンジであたためて、あったかくして食べるとよいようです

食事にもいいかも


皆さんも、絶対に作ってみてくださいね


<2015.03.16>

10 ヨーグルト・ポムポム

九段下のうつわやさん「花田」さんのTwitterには「今日の御三時」として、お店で取り扱っているうつわに「おやつ」をのせた素敵な写真が掲載されます

先日そこに「ヨーグルト・ポムポム」が!


ヨーグルト・ポムポムはマドモワゼルいくこさんのレシピの本に載っているお菓子

私も、母がたまに作ってくれたので食べなれていて、すっかり懐かしくなりました

花田さんの中にも、知ってる人がいるんだ!と感動


結婚する際に母のレシピを控えてきていたので手元に作り方はあったのですが、

ほかにはどんなお菓子があるのかな、と実際の本を手に取りたくなり検索するも、

近隣の図書館には取り扱いがなく

Amazonをのぞいたら、復刊されたものか、中古でなら購入できそうだったので、中古を購入

とくに復刊のほうはけっこうなお値段がついていました

ちょっと高かったけど、思い出には勝てません


ヨーグルト・ポムポムは、ヨーグルト、卵、砂糖、サラダ油に小麦粉を加えて、薄く切ったりんごを入れて焼き上げるケーキです

ちょっとぼんやりしたやさしい味が、たまに食べたくなります

母はサラダ油をマーガリンにかえて作っていましたが、今回レシピ通りサラダ油で作ってみたらなんと簡単なこと!

りんごは紅玉がおすすめですが、時期的にふじで作りました

その後すでに2回作りました


今見るとちょっと懐かしい雰囲気のイラストが随所にちりばめられ、レシピも親しみやすく、それでいてちょっとロマンチックなお菓子がたくさんです

懐かしく思った方は、ぜひ本をご覧になってみてくださいね


<2015.03.09>


9 ひなまつりの食卓

穴子とスモークサーモンをのせたちらしずし

れんこん、にんじん、煮付けたしいたけが入っています

世にも珍しい国産ごまが手に入ったので入れてみたら、とっても香ばしい!

喜界産です

おやつには、ひなあられと米こうじの甘酒を

原朋子さんの染付の徳利に桃の花と、ちらしずし用に買った菜の花を少し拝借して

イムサエムさんの汲出に甘酒をあたためて

ひなあられは、おしょうゆ味のおせんべいみたいな関西風と、砂糖がまぶしてある関東風をまぜて


暖房をつけていたら、桃の花も菜の花もひらいてきました

春です

<2015.03.03>


8 道具の力とやる気の関係

ご無沙汰しておりました、あんみつやでございます

「おなかがすいたよ」再開いたします


このコラムは食と本にまつわることをつづる場所ですが、

ちょっと感激したことがあったので書かずにはいられない


わがやに新しい掃除機を迎えました


発端は実家滞在中のこと

ふとんのほこりが吸い込める掃除機がほしいなあと思っていた私は、

ダイソンかしらと日々価格とにらめっこしていたのですが、

実家で使ったこのパナソニックの掃除機があまりに使いやすく、

その後継機種を購入したところさらに使いやすくなっていて感激




日本メーカーの、日本の住宅事情を考慮したきめ細かさに感動を覚えたのでした

全世帯の人がこの掃除機に買い替えたらいいのに・・・

毎日そう思うほどに

でも掃除機に求める機能は人それぞれだと思うので、あくまで私のニーズをキャッチしてくれたこの製品をここに讃えるのみにとどめます


感動ポイント

・小さく軽い→本体部分は「A4サイズ」、2013年モデルの実家にあるものよりさらに軽くなっていて、階段の上り下りも苦ではない

・ゴミが捨てやすい→実家のものよりさらに捨てやすい

サイクロン式で、紙パックいらず、ぱかっとはずしてポイ、

ごみがたまる部分も「こうはめるしかない」形状になっているので、とりはずしてごみを捨てた後も迷わずすぐ本体に戻せる

・手元ブラシ!!→実家で使ったときここに感激、昔の掃除機はブラシはいちいちヘッドを付け替えなくてはいけなかったものですが、この機種は、折り畳み式で持ち手にくっついているので、持ち手のところでホースをはずしてカキっと伸ばせばすぐにブラシが使える!障子の桟も、エアコンのフィルターも、掃除がおっくうにならない

・ヘッドの動きが柔軟→すみっこも、階段も、せまいところも、くねくねまがって掃除してくれる

足でボタンを踏むとヘッドの先がはずれて、細いすきまも簡単に掃除できる

LEDライトで暗いすみっこのほこりも見えて、取りのこしを防げる

・ハウスダスト検知機能→ごみがあるところではランプが赤く点灯し、ごみがあるよーと教えてくれる


加えて、この型番のものにはふとんヘッドがあらかじめついているので、別に買い足さなくてよかったのです

ほかの色があったら、足の部分がチェック模様でなかったらなおよかったのですが、そこまでいやな色でもないし、飾っておくものでもないので私はこの型番にしました



人には好きな家事と嫌いな家事、苦手な家事があると思いますが、私は掃除機がけが嫌いでした

それは重たい本体をとりだしたりコンセントを抜き差ししたりヘッドをつけかえたりごみを捨てたりがおっくうだったからだとこの掃除機に替えて判明

新しい掃除機にしてからほんとうに掃除機がけが楽しく、汚れやすい洗面所と寝室の和室は毎日かけています


面倒だな、きらいだな、なんとなくしそびれてしまうな、という行為の裏には、その行為自体の好き嫌いとは別のところに、手や足が遠のく原因があるものなのだなと再実感


というわけで目下の課題は、簡単に抵抗感なく写真をアップロードして、文章を書きためておく方法をみつけることですね、あんみつやさん、と、

一年ぶりに更新したのを機に発見したわたくしでありました


本年もまたどうぞよろしくおつきあいください


2015年 3月  あんみつや拝


7 親を知ってる親知らず

12月25日 大阪府にある某歯科にて、左右の下の親知らずを抜く。

      口腔外科で5時間かけても抜けず苦しんだだの、痛みで失神するだの、

      親知らずにまつわる恐怖譚はこれまで嫌というほど聞いてきた。      

      でもそんなにほんとに抜けないものなのか、絶対苦しませずに抜いてくれる医者が

      いるはずだという強い確信があり、現代人の利器インターネットで検索。

      自宅から1時間少々電車にゆられれば着くあたりに、

      ゴッドハンドの誉れ高き歯医者さんを発見、

      自分は歯列矯正で既に6本抜歯しているので、

      もうあんなみしみし歯をゆさぶられ、時間をかけて抜かれるのはごめんなので、

      口コミを信じ予約。

      9時からの約束で8時45分に来院、

      問診票を書いて、レントゲンに呼ばれ、椅子に座らされ、

      「麻酔するよー」「口あけてー」「はいうがいしてー」

      であっというまに右下の抜歯終了。

      下手したら普通の虫歯の治療より楽だった。

      横向きに生えているので、1時間くらいかかるかもとかかりつけの歯科医に言われた我が右下の親知らずは、ものの5分ほどで3つにくだけて皿の上に。

      噂に違わぬ手さばきに、左も抜くことを決意、次の予約の人もいないようだったのでお願いして抜いてもらう(ここでは1日に4本抜く人もいるそうだ)。

      左下は、横向きかつやや下に向いていて、とても難しいと言われていた。

      だがこれも、さすがに右より時間はかかったものの、10分ほどで皿の上に。

      よく考えたら、まっすぐ生えている歯をすぽっと抜く訳ではなく、

      歯茎を切って、埋まっている歯を割ってとって割ってとって根を抜く、なので、

      親知らずは抜く、というより取り除く、というのが正しいのか。

      よそにいったら、がんばって、きれいな歯の形をとどめたまま「抜いて」くれようとしていたのかも。それはどう考えてもやりづらそう。

 

      そういうわけで、歯医者を出て時計を見たら、9時23分だった。口コミに、「あんまり早く終わって、楽だったので、帰りに映画を観ちゃいました」というのがあったけど、ほんとに映画に行けそうなくらいだ。でも麻酔が切れた後は痛いに決まってるので、最低限の食料を買い帰宅。

 

ここからが本題で、食の記録を以下に記す。

25日昼:患部から出る血を飲み込んでしまっているからかそこまでおなかはすいていないが、

     ウイダーインゼリー(エネルギー)を1つ飲む。「10秒メシ」のはずなのに300秒はかかった。親知らずを抜くとき切った歯茎周辺の筋肉はのどまでつながっているので、嚥下するとき痛みがある。飲み込めないことがこんなに苦痛だということに改めて気づく。果敢に、噛めなくても飲み込めばオッケーそうな蒸しパンを豆粒大にちぎって舌にのせ、飲み込むが、血の味がするのでやめる。麻酔がちょうど切れてきたし、飲み込む時に筋肉を使うからか痛みが出てきたので昼食終了。処方された胃薬と痛み止めを飲む。間違って触らないように常にマスクを着用。

25日夕:食べないと回復も遅いと思い、ウイダー(ビタミン)を飲む。300秒かかっても飲み終わらない。激痛ではないけれど飲み込むとき痛いので、だんだん食べるのが嫌になってくる。少しのこして終了。抗生物質を飲む。

25日夜:野菜系ゼリー飲料を飲む。蒸しパンを少し。胃薬と痛み止めを飲んで寝る。

     寝ていても、つばを飲み込むとき痛くて目が覚める。

26日朝:ウイダー(エネルギー)、ややあけて果物系ゼリー飲料、蒸しパン少々。顔が腫れて来た。頬が下方にのびて、おてもやんかホームベース顔になっている。今外で知り合いに会っても多分気づかれないだろう。

26日昼:胃が動いてきたようで、ウイダーを飲む。抜いたところがうすら痛いのが不快なので痛み止めを飲む。しばらくしたら薬が効きのども含めて痛みがなくなったので、ここぞとばかりに食べだめをする。しょっぱいものが欲しくなり、果敢にもおせんべを砕いて、口の中で溶かして食べる。ちょっと回復した気がして自信がつくのがおかしい。ひたすら寝る。

26日夕:ウイダーと、レトルトのかに雑炊を少々、飲み込む。食べられる物が増えるのが自信になって、快方に向かうスパイラルがあることを記憶しておこうと思う。抗生物質飲む。

27日朝:先日からちまちま食べていた蒸しパン(小2個入り)をついに完食。普段ならあっというまに食べられるのに、噛めないと食べる気もしないし、おなかはまだすいているけど噛むのが苦痛になり飽きる。歯の大事さ(胃腸などももちろん)を実感。ウイダー(ミネラル)、みかんも前歯でかじって、飲み込む。

27日昼:かに雑炊の残りとみかん。ウイダー。プリン。

27日夕:夫の夕食を作れるまで回復。お鍋にして、私は豆腐だけスプーンで食べる。抗生物質。

28日朝:ウイダー、お鍋の豆腐、プリン、みかん。

28日昼:ついにチキンラーメン(たまご入り)を食べられた。

28日夕:もち(もちつきの日だったのに参加できなかったので、夫の両親が持ってきてくれた)を豆粒大にして食べる。みそ汁、ハンバーグをゆっくり食べた。抗生物質。

29日:奥歯を使わなくても噛めて飲み込めるものなら食べられるように。

    ウイダーで補う。

30日:かぶや大根、ジャガイモ等以外の野菜(葉物とか)は無理だが、少量なら通常に近い物を食べられるように。たこ焼きのたこも、格闘して食べた。

31日:パスタ、ピザも少量食べられた。

    親知らずがなくなったと言ってもほとんど埋まってたので、使える歯は前と変わらないのだが、歯磨きしきれないので食べる物を選んでいる。

 

 

親知らずを抜いたことで、食べられることのありがたさと、食べるという行為の大変さを毎日再確認している。

食べるだけでほんとうに大変なことだ。

そして筋肉って、思わぬところで使っているんだなあとしみじみ。

奥の歯を抜いたことで、くしゃみのとき口が閉じられなかったり、口角をあげられなかったり。

自分の体の中で、細胞や筋肉が助け合い活動をしているんだなあと体に感謝。

 

2014年は「Don't be afraid」の精神でゆきたいとおもった矢先、いい経験になったのでした。

 

 

 

 

 

<2013.12.31>

 

 

 

 

 

6 しろくま かるかん ぢゃんぼ餅

世界も知りたいけれど、

日本にまだ知らないところが山ほどある

 

それを一つづつ知りたいなということで、このたび千三屋の協力を得まして、

九州全県かけあしで巡ってまいりました

(走ったのは車、運転は千三屋でございます、ええ

あんみつやが使ったのは頭とおあしなり)

 

博多に始まり、唐津、呼子のイカ(唐津にて)、伊万里、有田、波佐見、武雄温泉ときて甘木泊、2日目は小鹿田、やまなみハイウェイ経由で阿蘇、熊本で太平燕、都城泊、3日目青島神社、宮崎でチキン南蛮(発祥の店にて)、鹿児島天文館へ繰り出し千三屋はラーメン、あんみつやはしろくま、最終日かごしま近代文学館と向田邦子旧居住地、車も私も灰をかぶりながら桜島(翌日大爆発)をながめて、博多から帰宅

 

そのなかで、鹿児島は向田邦子さんにゆかりがあり、

「鹿児島感傷旅行」(『眠る盃』所収)に一部ならって感傷旅行

 

向田さんのお母様がすきだったという、ぢゃんぼ餅を、桜島を眼前に食べ、

鹿児島が育んだ歴史上の、過去の、現代の、いろんな人に思いを馳せたのでした

 

 

 

<2013.08.25>

 

 

 

 

 

天文館「むじゃき」にてしろくま

初期よりトッピングはグレードアップしているそう

てっぺんのレーズンのようすが、しろくまの顔にみえたのが由来とのこと

左上より、しろくま、むじゃきショーケースのしろくまとシロクマ、ぢゃんぼ餅(平田屋)、かるかん(明石屋)

 

ぢゃんぼ餅=両棒餅 両棒とは武士の差す二本の刀のよし ひとつのお餅に二本の棒がささっている 柔らかいみたらし味のたれと、焼きたてのこうばしいお餅の香り 田舎の親戚の家で食べているような、あたたかい雰囲気のお店

 

明石屋のかるかんは、手製のおにぎりにかぶりつくような感覚 あるいは固めの蒸しパン(千三屋) 

今まで食べたかるかんはなんだか味と食感にとりとめがなくて(かるかんを食べたことがないという千三屋に説明するとき、白くて、もわっとして、ぽろっとしていて、中にあんこが入っているよ、と言っていた)あまり食べない部類のお菓子だったが、これは美味しいなあと感動

明石屋創製のこのかるかんは、播州明石出身の初代が、江戸在府中にその菓子づくりの腕を江戸凮月堂推挙で島津斉彬に見込まれ、公に従って来薩、薩摩の山芋と米を研究し苦心して生み出したものとのこと

どこかなつかしい素朴さと、しかしながら上品な味が、すばらしいです

 

このたび、熊本、宮崎、鹿児島、大分への道行きがかない、

あんみつやの未滞在県は残すところ青森県と山口県のふたつと相成りました

 

いついけるでしょう

その日が楽しみです

5 お母さんとなっちゃんと母と私

6月末から7月上旬いっぱいまで、帰省しておりました

 

家に帰ると、母はいつも私の好きな鯵の南蛮漬けを作っておいてくれます

豆鯵を下ごしらえし、かんかん音がなるまでかりっかりに揚げ、ピーマン、人参、玉ねぎ、鷹の爪と一緒にあえたもので、手間がかかるのに、忙しくても必ず用意してくれるのです

甘くて酸っぱくて辛いこの味が好きで、自分で作るときもアレンジせず、母と同じ味に作ります

 

今回、他に用意してくれていたのが、『なっちゃんレシピ』掲載の、ゼリー

ブランデー風味のやわらかいゼリーに、赤白のグレープフルーツがちりばめられた、

目にも美しいデザート

 

この『なっちゃんレシピ』、母は、我が家行きつけの上福岡のブックオフ(きれい、安い、品揃えがいい)で、100円で買い求めたそうで、前回帰省したときにも薦められたのですが、

今回読み直してみたら作りたいものが多く、私も早速Amazonで購入

日頃忙しい著者があみ出したもろもろのワザが、

縁あって一年間の専業主婦に終止符を打ったばかりの私には助けとなったのでした

 

上記ゼリーはじめ、なっちゃんさんがお母様から受け継いだというレシピも多く、

本と母を介して、私で四世代目の作り手かあと考えると、

さまざまな形で継承されていくレシピの運命って不思議で偉大だなあと思う次第です

 

<2013.07.21>

 

 

 

 

 

4 5月のジャム

5月、ころころ小さな苺が山積みで売られる頃になりました

そろそろジャムを作る時期だと、苺探しにそわそわします

 

近くの八百屋さんで、小さなあまおうが、この季節ならではの値段で売られていました

これでジャムを作ったならば、さぞかし香り高くておいしかろう、

ようし、とつれて帰ってきました

 

ひとくちにジャムと言ってもいろいろで、私は果物の姿がそのまま瓶にうつくしくつめられているようなのが好きです

軽井沢の沢屋さんのシックな色合いの苺ジャムは、ちいさいころのごちそうでした

自分で作る時も、鍋にへたをとって水気をふいた苺を入れ、上にきびざとうをきらきらとふって、静かに煮つめるだけ

アオハタの、ふたに苺の絵が描いてあるジャムの空き瓶を煮沸し、乾いたところへ熱いままジャムをゆっくり入れて、口よりすこし少なめに瓶を満たしたらふたをしっかりしめて、逆さにして一晩おきます

朝、瓶をひっくりかえして、ふたがぺこんとさがっていたら、きちんと密封できたしるし

うれしい5月の苺ジャムのできあがりです

 

苺ジャムを作ろうと思った時、いっしょに思い出すのは『Papa told me』の、北原さんのエピソード(11巻)と、「メイストーム」というエピソードの冒頭の「5月のしりとり」(23巻)

 

北原さんというのは、主人公知世ちゃんのお父さんを担当している編集者の女性

自分の選んだ大切なものと時間をいとおしんで生きている人

春の日曜日、義姉の親切でセッティングされたお見合いより、苺ジャムをつくることが気になる

そういう幸せを描いた一話

苺ジャムを煮るのは、甘くて、ひそやかで、一人で鍋をみつめるその時間はしあわせな香りに満ちている、そういうものですよね、と話しかけたくなる、友達になりたいような人物です

 

「5月のしりとり」は、詩のような美しい冒頭が多い『Papa told me』の中でも特に好きな扉の一つで、しりとりの最後が「……苺    いっぱいの苺!   5月のしりとり」なのです

苺の香りがあたりいっぱいにただよって、見ているだけでとても幸福な気分になる一頁

 

ジャムを煮るひそやかな楽しみを綴ったエッセイと言えば、平松洋子さんの『夜中にジャムを煮る』もあります

こちらは苺のジャムと限ってはいないのですが、やはり夜の静寂の中にただよう甘美な香りをひとりじめする幸福感が、よろこびに満ちた文章で描かれています

 

それほど甘美なジャム作りの香り…

 

今年最初に作った苺ジャムは、母の日に、夫の母へ

二度目はその数日後

またあまおうを見つけたので、わが家の分を作ろうと買ってきました

夕食を作り始めたその日の夕刻

おかずのしたくもあらかた整い、味噌汁のお出汁をとるあいだ、手持ち無沙汰だった私は、買ってきた苺を洗い、へたをとって、鍋にスタンバイさせていました

今、出汁をとっている今、この苺を火にかけてはいけない

直感はきちんとそう告げました

でも、コンロがあいていて、苺もとても熟れていて…魔がさして点火しました

砂糖をふりかけ、木べらでかきまぜます

苺の、それも、甘さと酸味のすばらしい、くっきりとしたあまおうの香りが、誇り高くたちこめました

それまで鰹ベースの芯の強いお出汁の香りだった、台所のうす茶色い空気に、あまおうの色気に満ちた真っ赤な空気がまじりあい、

その時の私は、ピンクと赤でいっぱいの、かわいい、ロリータとか、ソフィア・コッポラのマリーアントワネットみたいな女の子がいてほしいような部屋に、10人の埃まみれのジャイアンが入ってきて、双方気まずい空気になっているのを、間に入ってお互いの顔を見比べながら必死で会話をとりなそうとしているような、しんどさを味わいました

 

ジャムは夜、煮るべし

 

                                                                                                         <2013.05.23>

 

あまおうのジャムと、庭のハーブと花でつくったブーケ

3 こらこらルッコラ

あんみつや小学生時代のバイブル、『美味しんぼ』

今も実家に帰るたびに、父が新しく買い足してくれた分を読みます

 

結婚して改めて読み返して胸に迫るのは、まず栗田さんが結婚するとき、お母さんがぬか床をくれるシーン(47巻)

おばあちゃんの代から受け継いだものよ、といって手渡されてじーんとする栗田さんにじーん

 

もうひとつ、若かりし頃、芸術が理解されず貧乏の底にあった海原雄山に、妻が、ささやかな庭でこしらえた畑からとったばかりの野菜を使って正月料理を作ったエピソード(47巻)

貧乏を怖がる必要はない、思う存分思う道を追求して、と雄山に言える奥さんの強さに感じ入ると同時に、「庭で野菜を作って非常時に備えるのが、デキる妻・・・!」という意識が植えつけられ、3月から始めた庭作り計画に、野菜も加わったのでした

 

そうして種を播いたルッコラがもりもり育って食べ時になり、摘んでよーく洗ってサラダにしました

 

これからミニトマト、バジル、みつばが大きくなる予定です

野菜作り元年はこのくらいですが、毎年勉強して、少しずつ種類を増やしてゆこうと思います

 

●ルッコラのサラダ

ルッコラはよく洗い、水気をとってから3センチくらいに切る

短冊に切ったきゅうりと、くし切りにしたトマトを上にのせ、ドレッシングをかける

すりごま(白)、天かす(デパートの天ぷら屋さんでもらう)、ひじき(もしくはのりやわかめ)をふりかけて、召し上がれ

※ルッコラのごまのような風味を生かすために、和風系もしくはごま油入りのドレッシングがおすすめ

今回はそういうのがなかったので、オジカソースのバルサミコドレッシングを使いました

天かすのごま油とけんかしないさっぱり系のものがよいと思います

オイル+お酢+醤油+こしょうで和えても

お口に合いますように!

                                                                                                          <2013.05.09>

2 カレーと鼻歌

台所に立つと、昔から歌ってしまいます

にんじんを冷蔵庫から出す時に、「にんじんさん♪にんじんさん♪」

たまねぎを切る時は「たまねぎ~ねぎねぎ~」等

ほとんど原始的な旋律で、この上なくシンプルな歌詞です

何も考えないうちに、口が勝手に歌っています

母もいつもなにか歌っていたので、遺伝というものでしょうか

 

今月前半はカレー三昧でありました

平日朝から夕刻まで、大学図書館の教科書販売の仕事をしていたためです

理解のあるわが同居者が、毎日カレーでもいい、とのたまうので、

それならばと、ルー数種類を西友で求めてきました

 

ルーを買うのは久しぶり

最近、香取薫さんの『5つのスパイスだけで作れる! はじめてのインド家庭料理 』という強力なパートナーを得て、スーパーのカレールー売り場にはご無沙汰しておりました

 

この本は、日本の主婦がしょうゆ、酒、みりん、砂糖などの基本の調味料で、それぞれ違う味の煮物を作るように、カレーをクミン、コリアンダー、ターメリック、レッドペッパー、ガラムマサラという5つの基本のスパイスで作りましょうね、というもので、シンプルな材料、写真入りで見やすくわかりやすい手順とレシピ、奇をてらわないメニュー、そして何より味が好みだったので、これを知って以来、脇目もふらなかったのです

インドカレーが好きな方は手元にあると重宝する一冊だと思います

 

この二週間で作ったカレーは以下の四種類

・ハウス「ザ・ホテル・カレー」中辛

・エスビー「地中海カレー」トマト&オリーブ・きわだつカルダモンの清涼感

ダニエル・マルタン氏監修

・エバラ「横浜舶来亭」カレーフレークこだわりの中辛

・上記料理本掲載の、「基本のチキンカレー」

 

ホテル・カレーは、あまりスパイスが主張しない、牛乳っぽい味わい

シックな茶色のルー

出しゃばらず、品よく、という味が、名前に合ってるなあと感心はしましたが・・

辛いカレーが苦手な方は食べやすいのかもしれない

ハヤシライスっぽい味かなあと予測して、じゃがいも抜きで作りました

 

地中海カレーは、マキシムやリッツ、コルドンブルーでの経歴あるフレンチシェフ監修であるからには、それなりに期待できそうと思いつつ、オリーヴ味はもしかしたらきついかもしれない、きっとこういうシェフがやるからには冒険するし・・・とはらはらしながら買いましたが、ホテル・カレーより味がくっきりして、個性ある風味な分、面白い

ホームページにあるように、パスタにからめてもよさそう

と言うよりそっちのほうがよさそう

鶏もも肉で作りましたが、シーフードでもいいかな

 

市販のルーの中で千三屋に一番好評だったのは横浜舶来亭

カレー味と言えば、ときいて思い浮かべる、そういう味

カレーの味と言えば、ではなく、「カレー味」

カレー味のカレー、なんて、某栄養ゼリー飲料の「栄養ドリンク味」みたいだ

こちらは具材も定番の、メークインとにんじん、豚ひき肉で作りました

 

「基本のチキンカレー」は、カレーペーストという段階まで作って冷凍しておけば、解凍してスープとお肉と仕上げのスパイスを入れて煮込むだけでできる

トマトの酸味と、生姜とスパイスの味がしっかりするさらさらのルーは、玄米で食べるとさらによし

 

 

こうして、日曜夜カレーを作り、月・火食べ、水曜は作って冷凍しておいたあんみつや両親直伝ミートソースを食べて翌日と金曜のカレーを作る、この一週間のサイクルを二回くりかえしたのでした

サラダは毎朝日替わりで作ったものの、市販のルーで作るカレーは楽だ

千三屋が夜勤に出る時間に私の帰りが間に合わず、私もそれなりに気力体力消沈する予感がして頭を使わず作れるものがよいというので、こんな食生活でしたが、

日本のカレーの今を知った二週間でありました

しかしやっぱり、スパイスで組み立てて作ったカレーが私は一番好きであります

 

カレーばかり作っていると、口をついて出てくるのは、

にこにこぷんの「ハヒフホカレー」

花のない国、歌のない国、お菓子のない国、友達ない国、

そんな国はごめんだけれど、カレーのない国もっとごめん、

という、カレー讃歌です

 

しかししばらくカレーはいいや

 

 ねえ

 

                                         <2013.04.19>

 

1 おなかがすいたよ なにかたべよう

料理上手の母親と、おいしい物好きの父親の間に生まれて育ってみれば、

しぜんと作ったり食べたりが好きになるものです

たぶん

 

本も好きとなれば、

これまたしぜんと食にまつわる本も増えていくものです

少しずつ

 

ここでは、そうして食べたり、作ったりしたものを記したり、

読んだ本についてご紹介したりしてゆきたいと思います

 

よろしくおつきあいくださいまし

 

 

2013年3月 

あんみつや 拝

                                                                                                            <2013.03.28>