『歩行』断章

『歩行』というのは、自分が学生時代につくった同人誌です。歩くことが好きだからという単純な理由もありますが、どこまで歩けるのか、自分で見てみたいという思いがありました。歩くという平凡なことの非凡さを、フランツ・カフカは、

 

「もしお前が平地を歩いていて、歩こうという十分な意欲をもちながらそれでも引き返すとしたら、それは絶望的な事態だろう。しかしお前は険しい急斜面を、いわば下からでもそれとわかるほど険しいところをよじ登っているのだから(中略)お前は絶望するには及ばない」(『夢・アフォリズム・詩』平凡社ライブラリー)

 

と書いていて、わが意を得たりと思いました。
書くことと歩くこと、読むことと歩くことの精神のありようは、自分にとってはよく似ています。つまり、続いていくことが、です。
僕はよく不注意から、車やらバイクにひかれます。書くことと読むことにも事故はつきもので、いい意味での事故もあれば、永遠の中絶につながる事故もあります。ただし、引き返せないのなら、そういうものを全部引きずってでも、歩くしかないのではないか。
この試みがどこまで続くのか、それはまた別の話ですが。
本日6月21日から、タイトルを改題し、新しくスタートをきります。

どうぞお楽しみくださいまし。