『いづみ語録』鈴木いづみ著・文遊社

語録と題にあるように、作家・鈴木いづみの単行本および未収録作品から小説、エッセイ、対談などかかれたものに関係なく言葉をスクラップしたもの。帯に「言葉のナイフ」とあるが、切れ味は帯がいうほどに鋭くない。

鈴木いづみは、作品よりも、アルトサックス奏者阿部薫とのこれ以上にない危険な結婚生活の文脈で安易に語られることが多いが、小説もよい。

白眉は、日常感覚をSFに持ち込んだところで、そうした視線が『女と女の世の中』のような寓話的な世界や、エッセイ『ふしぎな風景』によく現れているように思う。

本書は、娘である鈴木あずさが編集をしており、巻末に鈴木いづみ関係者(アラーキー、町田康)らとの対談がある。