『大阪弁「ほんまもん」講座』札埜和男著・新潮新書

コミックソングの王様・嘉門達夫のレコードに「関西キッズ」という関西弁講座みたいな歌がある。ラップというのか漫談というのかその境界が極めて曖昧な、吉本が使いそうなどぎつい関西弁のオンパレードで、その応用編に「アイスコーヒーにミルクをいれてくださいね」という共通語をわざとらしく「レーコにフレッシュいれといて」と大阪弁になおす歌詞がある。

本書は、意識的に、大阪弁を「ほんまもん」と「にせもん」に峻別し、その上で、その言葉の来歴をたどる。

たとえば、「レーコ」という言葉をひもといて、cold coffee→コール・コーヒ(冷たいコーヒー)をちぢめて冷コ(レイコ)、といったぐあいに言葉の変遷をひろっていったり、「ミルク」と「フレッシュ」の境界は? というおよそ、ほとんどの人がどうでもいいと思って見過ごしがちなところに光をあてて、学研的にほりさげていく。首をかしげる部分はいくらもあるが、新書でここまで書くのは見事。

大阪弁の研究者といえば、ほかに、牧村史陽、前田勇といった人がいます。

まさに泰斗で、この二人の紹介は、いずれまた。