2009年

7月

30日

『千々にくだけて』リービ英雄著・講談社

東京からワシントンまで、直行便で12時間かかる。

半日の禁煙。

喫煙者にとって、考えるだに恐ろしい直行便である。チェーン・スモーカーのエドワードは、迷うことなく、途中、ラウンジでタバコをすえる、西海岸を経由する便に決めた。6時間近く、乗客の蔑視をあびながら、噛みタバコをにおいだり、かみつづけていたエドワードが、カナダに着陸して、さあ、ようやくタバコをすえるぞと思いきや、機内の機長のアナウンスが流れる。

 

the United States has been victim of a major terrorist attack

(アメリカ合衆国は甚大なテロ攻撃の被害者となった)

 

だしぬけに、カナダに足止めされた六日間の五千分の一の記録、が本書である。

うがった見方をすると、西洋出身者で初の日本文学作家であるリービ英雄が、9・11のテロ事件を小説にする、というのは、もうその企画だけで「商品」になっていると思う。

問題は何を書くか、であるが、退屈をもてあましたエドワードは、エロ本を買って、いきなりオナニーしはじめる。話柄が下がって恐縮ですが、しかし驚ろいた。