『ゴミにまみれて 清掃作業員青春苦悩篇』坂本信一著・径書房

松の飾りも、贈り物も、食べ物も、家具も、煎じ詰めれば、すべてゴミである。人間自身もゴミという言葉から無縁ではいられない。ちょっと引用するのが恥ずかしくなる映画の台詞に、ペースメーカーを埋めた少女が「私を捨てるときは、不燃ゴミにして」があった。人間は、可燃ゴミである。

本書は、ゴミ収集車の清掃作業員の職場の愚痴と社会的蔑視が6割と、ゴミについての意見が3割、1割が明るい未来について。

ちょっと感動的だったのが、職業を「市役所職員」と偽るものが多い中で、

「おれがこの仕事につこうと思ったとき、息子は十歳だった。父ちゃんはゴミ屋になろうとかと思うんだが、おまえそれでもいいかって、二人きりで一日話しあったもんだ。だから一度も不満言ったこともないし、そりゃァおれの知らないところでイジメられたかもしれないが、イヤな顔ひとつしたことないよ」。