2009年

8月

14日

『百万人のお尻学』山田五郎著・講談社

お尻が好きな人にはたまらない一冊。

ふざけたタイトルだと思っていたけれども、中身は至って真面目。タモリの特別寄稿「お尻の思い出」にはじまり、医者が書いた「お尻の医学」など緻密なデータに基づいた、骨盤の形とお尻の輪郭の関係などの論考を併録している。ばかばかしいことを本気でやっているのが嬉しい。

山田五郎という人は、トリビアルなことを面白がっている人のイメージが強かったが、そのトリビアルな知識が、「お尻」という切り口を与えられることで、目が覚めるような切れ味をもって、目の前に迫ってくる。

例えば、第三章の「お尻のファッション史」では、お尻がそもそもは男のセックス・シンボルであったことを文献からつまびらかにし、女性のエロティシズムが「胸と腰」から「お尻と脚」に変容してきた過程を、ファッション史のなかで論じて見せる。おそらく、こんなことは山田五郎以外の誰にもできない。まさに圧巻。名著だと思います。