『囚人狂時代』見沢知廉著・新潮文庫

三島由紀夫の理念を受け継ぐ、バリバリの新右翼、一水会のリーダーで、ゲリラを指導し、公安スパイの粛清事件で、懲役12年の実刑判決をうけた、見沢知廉の獄中記。

あとがきに、「この作品は、本当に楽しんで書いた」とあるように、驚異的なスピードで書かれている。

川越少年刑務所にはじまり、関東で大きな事件をおこしたものすべてが集まる、長期刑務所、千葉刑務所、刑務所の墓場、八王子医療刑務所を通過して、千葉刑務所に送還されて、監獄を出るまで、が記されている。

著者自身が、重大事件の犯罪者だけあって、留置場では、「三越事件」の社長、「ホテル・ニュージャパン」のあの人、千葉刑務所で、狭山事件や「金属バット殺人」の彼、あさま山荘事件で無期懲役となった「あさまさん」などと出会い、メディアが消費し尽くしたあとの、その後の受刑者の姿を独特の乾いた視線で描く。

ペンネームの由来は、「三島由紀夫を深く尊敬していた。見沢という筆名も、書店で三島の隣に並びたいからという理由で付けた。」(ウィキペディアより)