2009年

8月

28日

漫画『蒼天航路』原案・李學仁、画・王欣太・講談社=全36巻

午睡のち、思い立って、乱世の奸雄、曹操を主役にした三国志の現代版、『蒼天航路』を読み返す。

全36巻、漫画喫茶にて、計八時間、1830円也。なかなかの読み応え。三国志が、かくも身近にかんじられる理由は、そもそも三国志自体が面白いだけでなく、日本にも信長、秀吉、家康という、江湖の物語作家が勇んで取り上げる、物語の祖形がしっかりと整っているからか。最後の終わり方もよし。

長尺の物語にありがちな、物語を要約して説明するのではなしに、物語の齟齬を気にせず、物語の空白を読者にあずけ、描きたいところを描くというスタイルが潔い。

蜀の無名軍師、法生や、もう一人の悲運の天才軍師、龐統(ほうとう、字・士元)が史実とは違って、美男で冷酷なマキャべリストとして描かれるなど、頁にして一瞬の登場ながらも、鮮烈な印象をあたえる切り口は、まさに見事というほかない。