『自殺自由法』戸梶圭太著・中公文庫

「日本国民は満十五歳以上になれば何人も自由意志によって、国が定めたところの施設に於いて適切な方法により自殺することを許される。但し、服役者、裁判継続中の者、判断能力のない者は除外される。」

 

本書は小説である。

当然、フィクションなのだが、毎年3万人の自殺者をもつ日本において、このフィクションの法律はすでに存在している。

いまだ読み終えることのできない島田雅彦の『自由死刑』もおそらくは根は同じなのだろう。

作品それ自体の出来としては、延々とつづく絵のない漫画のような筆力としか言い得ない。しかしながら、この非凡な発想が、最後まで読ませる魅力を作品に与えている。