2009年

9月

05日

芹川画廊

最後のペンキ絵師、丸山清人さんの展示をみに、芹川画廊にいく。芹川画廊は、伊藤航さんの「紙のお城」(でいいのか?)の展示など、耳目をひく、個性的な展示を手がけることで知られる、銀座の画廊。

壁面に数点のペンキ絵と、その他といったら失礼なんだろうけれども、雑多な名札のついた絵がところせましと貼ってある。

絵のことはよくわからんのだが、ペンキ絵を自宅の風呂にはって、あつーいお湯につかってざぶざぶと湯をあふれさせたら、さぞかし痛快だろうなと思う。湯気ごしにみたい。
画廊をでると、ドタドタと足音をたてて、二人の若手と恰幅のいいレディが足早にとおりすぎていく。と、思ったのはつかの間、きびすを返して、ぐあっと捕まれる。
「もしかして、あなた......」
「は」
「お客さん?」
「え、はあ」
頼りなげに返事をすると、
「どう?」
と聞かれる。当然、僕はファンなので、「良い」と返事をすると、途端に魅力的な笑みがこぼれる。
「ほんと? よかったあ。あなた、ペンキ絵好きなの?」
「町屋に住んでいたとき、熱いお湯につからせてくれる銭湯があって、たしか、早川さんというペンキ絵師さんがずっと書いていたと、主人にうかがいました。銭湯が好きで、不即不離というのか、銭湯のペンキ絵をみるようになりました」
「あら、早川さんは、丸山さんの兄弟子ですよ。四月にお亡くなりになられたのはご存知?」
「いえ」
「それは残念。ところで、あなた明日は暇ですか? 丸山さんがいらして、直にペンキ絵を描きます。よければ是非ご覧なさい。じゃあ」

若手になにごとかを叫びながら、颯爽とさっていく。
銀ブラという言葉があるぐらい、銀座には歩き回るのに楽しい場所にあふれている。画廊、建築、バー、ショッピング、食べ物、映画、カメラ……。松崎天民をひきあいにだすまでもなく、銀座は面白い。ただし、この芹川画廊、そう簡単には見つからないので、ご注意を。