2009年

9月

09日

マジシャンの娘 埼玉ワンダーランド 

ラフティングを終えて、やることもなくなったあとは、ガイドさんに教えてもらった、林家たい平のサインがある、蕎麦屋「もみの木」に行く。畑を買うことからはじめた自家製の蕎麦と、大皿に盛り上がった有機野菜の天ぷらをかきこむ。濃厚な蕎麦湯も美味しくて、思わずおかわりをしてしまう。

天ぷらを食べると、その足で、和菓子屋「ふくろや」で、本当に隠れた名物(店頭には並んでいない。おばさんに頼んで店の奥から出してもらう)「すまんじゅう」を食べる。麹菌を発酵させた、ふかし饅頭で、一口目がすこしツンとして、生地があまい。餡もぎっしりつまっていて、食べでがある。車をパーキングにとめて、むしゃむしゃ食べていると、地元の人々がひっきりなしにやってきて、すまんじゅうを買っていく。これだけ売れている商品を何故、店頭に出さないのか理解に苦しむが、一日の買い手の数があらかじめ決められているのかもしれない。

今回のツアーの立役者でもあるアキコ氏は、実は、マジシャンの娘で、ヨパッラッタ我々にはもったいない、カードマジックを披露してくれた。ただ、我々が感動したのは、マジックも真っ青なぐらいの手際の良さとキャンプを楽しむための入念すぎる準備である。

バーベキューをするといえば、伊藤家の畑でとれた有機野菜のジャガイモをすりつぶしたマッシュポテト(これが実にうまい)をタッパにいれてもってきてくれるわ、つまみのナムルもつくってくれているわ、鶏肉のユズ胡椒づけをつくってきてくれるわ、あれが欲しいと思って、氏のクーラーボックスから出てこなかったものがない。こういうマジックは、マジシャンにはできない。アキコ氏ならではの、種と仕掛けのある一流のマジックである。

こういう人をプロフェッショナルというのだろう。プロとは、お金を払って仕事をする人のことではない。お金を払いたくなる仕事をする人である。

もっとも、御代は受け取ってはもらえなかったが。

旅のプロフェッショナルこと、伊藤夫妻は、来年だか、再来年から世界一周旅行の旅にでてしまう。

K先生もイギリスに行ってしまう。

僕は、多分、外よりも、「室内」のほうが好きだ。間違いなく、彼らに誘われることがなければ、部屋の中にいる。外には出ない。

「室内」にはドラマはない。あるのは延々と続く時間で、それを眺めている自分がいる。

一人旅を別にすれば、旅行が面白いか、面白くないかの分水嶺は五十嵐氏には申し訳ないけれど、旅先にはない。「旅に出てもロバはロバ」(山本夏彦)で、旅の面白さは、ヤジキタならぬ、同行する人間によるものだろう。

願わくば、彼らがいなくなってしまう前に、もう一度、旅にでてみたい。

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コメント: 2
  • #1

    マジシャンの娘 (木曜日, 10 9月 2009 22:27)

    タイトルにまでしていただき、ありがとうございます。マジシャンの娘です。

    それにしてもこの日記、その場にいた者が読むと
    本当に面白いね。
    でも、全部で5個以上は読めない漢字あったし、
    「へ~そうだったんだ~」ということもたくさん
    あり、勉強になりました。

    さすが作家だけあって、本を読んでいるみたいな文章だね。私が芥川賞をあげるよ。

    番外編の英語パーティーはこの後続くのかしら?
    千三屋さんの博学っぷりには驚愕でした。
    むしろ気持ち悪いくらいでした。
    日本語でも理解できません。
    難しすぎやから!!!

    いやぁでも、千三屋さん、本当にすばらしかったよ。
    心より。

  • #2

    千三屋 (金曜日, 11 9月 2009 01:13)

    ご希望とあらば如何様にもお書きします
    ただし、博学ではありませんので、ご容赦を
    四件すべてにコメントをありがとうございました