『ジウⅡ 警視庁特殊急襲部隊』誉田哲也著・中公文庫

本書の題の「ジウ」というのは、この物語の核である、「新世界秩序」を掲げる巨悪組織の、シンボルであり、善悪の区別がない、無痛覚の少年の名前である。無垢なるが故に、人を殺すことを躊躇しない。

法とはなにか、秩序とはなにか、それを突き詰めていくと、人を殺してはいけない、という壁にぶちあたる。ではなぜ、人を殺してはいけないのか。あらためて、善悪の区別なしに、そのことを考えているのが、本書の核なんじゃないかと思う。書いていて哀しい気持ちになってくるのが残念だけれども、読ませる技術は秀逸。