映画『マイ・アーキテクト ルイス・カーンを探して』ナサニエル・カーン監督

「ライトは怒りっぽかったし、ミースは近寄りがたかった。コルビュジエは陰険。だが、ルイスは違った」……建築家・フィリップ・ジョンソン

 

力強いコンクリートの建築で従来の建築から一線を画し、二十世紀の巨匠の建築家として、並び称されるルイス・カーン。この映画は、彼の私生児、ナサニエル・カーンがルイス・カーンの足跡を追ったドキュメンタリー映画。 ルイス・カーンは、謎めいた私生活で知られる人でもあり、本妻のほかに、二つの家族があった。

1974年3月、ペンシルバニア駅で謎の死を遂げた、ルイス・カーンを追いかけるところから、はじまる。

彼の代表的な建築群である、ソーグ生物学研究所などを網羅しているも、建築家としてよりか、父親としてのルイス・カーンを探求しているきらいがあり、映画としてはそれほど面白いとは思えない。

カーンの本妻である、エスターがあるドキュメンタリーで答えて話しているように、ルイス・カーンの口癖は「金などいい」で、実際に「財産を信じていなかった。本とネクタイ以外、何も持っていなかった」。

彼の死後に残ったのは、50万ドル近くの負債であり、死せずとも、目の前に迫る破産が見えていないはずはなかった。それでも、彼は呼ばれれば世界のどこへでも出かけ、建築をつくりつづけた。

その建築は今なお、古代遺跡のように世界各国に健在であり、雄弁に沈黙している。