2009年

11月

28日

『脱・排除社会 人が人らしく生きられる社会にするために』湯浅誠・関根秀一郎著・サンガ新書

『脱・排除社会 人が人らしく生きられる社会にするために』湯浅誠・関根秀一郎著・サンガ新書

北九州で餓死事件があった。持病があって働けず、生活保護を打ち切られて、挙句、「オニギリ食いたい」と書き残して餓死した。戦前の話ではなくて、数年前の話である。この事件は、憲法25条、すなわち「すべて国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」に抵触している。

日本の行政が、排除社会化しているのは誰の目にも明らかである。その排除社会化と最前線で戦い続けているのが、本書の二人、気鋭の論客、湯浅誠と関根秀一郎である。この二人の認知度は、年越し派遣村を通じて、爆発的に広まった。

貧困、すなわち非正規雇用の問題は、自己責任論にいきつくことが多い。つまり、頑張らなかったから、あんたは就職できないんだ、の類。しかしながら、この問いの立て方は、考えるまでもなく不毛で、本質を看過し、本人の中に問いを封じ込めている。人に注目する問いの立て方であって、頑張れなかった理由はいくらでもあとづけできてしまうという、極めて暴力的な論理である。

非正規雇用化が拡大している端的な理由は、正規雇用の数が減少しているだけの話で、要するに単なる椅子とりゲームなのである。10人いて椅子が7つしかなければ、7人しか坐れないのは、誰の目にも明らかである。一つの椅子に仲良く二人で坐ろうというのをワークシェアリングという。

非正規雇用の問題は、こうした本質的な問題が俎上にあげられていないことだと、二人は指摘している。今、目の前にある問題である。