2009年

12月

17日

劇団フルタ丸・第14回公演『I LOVE YOU』

『I LOVE YOU』をみる。  

舞台が暗転し、役者一同が客席に頭をさげると、なんだもう終わってしまったのかと思い、また、ちょっと安堵もした。自分は劇団関係者でも、なんでもないのにも関らず、客席を見渡し、お客さんがどういう顔をしているのかを確認して、一喜一憂してしまう。良い芝居かどうかは観客の顔に書いてある。

観想を書いていると、時間が経ってしまったせいか、客席には三人しか残っていない。あわてて外にでると、新旧フルタ丸のメンバーが歩道に、芝居の登場人物そのままに申し訳なさそうに立っている。

『I LOVE YOU』は、何かにしがみついてしか生きていけない、不器用な人間が、ちょっとした奇跡をおこす物語である。僕自身、本にしがみついてしか生きていけないから、こういう温かい物語をつくってくれて、本当に嬉しかった。平野智子さんの音楽も素晴しく、聴いているだけで、頭の中の雑音が洗われていく。どうして劇場で平野さんのCDを販売していないのだろう? 

観想を熱心に書きすぎたせいで頭がぼうっとして、サインをもらおうと思って買った「デイリースポーツ」とゼブラのマッキーを持ってきたことも忘れて、挨拶もそこそこに、そのまま帰ってしまう。

演劇評論家に山田肇という人がいて、そのひとの文章に「演劇はひとりでいくものではない。演劇は連れ立っていき、語り合い、人に会う場である(大意)」というのが確かあって、学生時代に線を引いた。 演劇を、芝居を、そして映画を、ひとりでみにいくとき、どうしてもこの言葉を思い出してしまう。やっぱり、見終わったあと、あーだこーだいいたいのだろうか。フルタ丸をまだご覧になられたことのない方は、是非「楽園」にお越しくださいまし。下北沢のビレッジバンガードのすぐ裏です。 フルタジュンさんのブログを読んでから行くと、さらにちょっと面白い小道具もあります。併せて是非。

劇団フルタ丸・第14回公演『I LOVE YOU』

http://furutamaru.com/love/index.html
12月16日(水)~12月20日(日) 
@下北沢「楽園」