『隅田川のエジソン』坂口恭平著・青山出版社

極めてアッパー系のホームレス小説。常に上げ上げ。

「路上では退屈することが一切ない。」

「隅田川文明でも一丁、興してみるか。」

「東京では0円で暮らせる」

万事この調子。

物事には表と裏があるが、初期条件を除いて、一切裏を書いていない。それが爽やかなのかどうかは読者によるのだろうが、着想は見事。

路上生活者に、やさしいのは台東区と文京区。すこし冷たいのが荒川区と、「知らない人は一生知らないで過ごすだろう、なんのガイドブックにも載っていない、自分の感覚だけの地図」を構築していく。

それはさておき、勉強になったのは、電化製品は12ボルトの電源があれば利用ができること。車やバイクに積んであるバッテリーは12ボルト。つまり、電源がなくても、そこらへんに捨ててある車やバイクのバッテリーをつなげば、理論上はほとんどの電化製品を起動することができるらしい。ほんとかうそかは、ご自身でお試しください。