同人誌『6号棟』

一年に一度、箱根駅伝を見るために帰省します。

駅前の風景は飽きもせずいれかわり、雑木林はショッピングモール、宅地は駐車場、墓地まで埋め立てて、気がつけば公園で、高校のときの通学路は整地されて見当たらず、十年前の風景すら思い出せない。

変わらないのは友人で、それを昔風にいうと友垣という。

僕には0歳のころからの友人が二人いて、一年に一度、大阪で読書会をします。

いい大人が喫茶店に集まって、あれがいいだの、これがいいだの、わいわい言いあって、挙句の果てに実際に本屋に行って、互いが言及した本を買って帰る。ただ、それだけの集まりなのですが、それが無類に楽しくてたまらない。 この集まりの唯一にして無二の問題点は、お互いが言及して買った本を読みはするものの、何をすすめたのか、そしていつ読んだのか思い出せない点で、次に会うときは別の本に夢中になっているから、当然、その本の話をする。

そこで、今年から新たな試みとして、『6号棟』という名前の回覧雑誌を創刊することにした。無罫のノートにただ、思い思いのことを書き綴るだけなのだが、バトンタッチするのが待ち遠しくてたまらない。

今年、二人がおすすめしてくれた本は『河童の三平』と『須賀敦子全集 第3巻』。読了したら速やかに書きます。どうぞお楽しみに。