砂川格差

昔、幡野くんと二人で書いた四コマ漫画『歩行くん』の映像化について、佐々木と話し合う。アニメーションのソフトを使って、どんなふうに絵が動かせるか、背景をどうするか、声とのシンクロをどうするか、を佐々木が書いてくれたストーリーボードを見ながら実地に教えてもらう。

なぜか、モニターが見づらいので、

「こんな角度で見えるのか?」

ときくと、炬燵にもぐりはじめる。

「こうやるとみやすい」

といわれて納得する。

映像の話のあとは、当然のように本の話をする。完全に本の守備範囲が違うから、本棚を見るのが何より楽しい。アベキンから、モースの贈与論に、贈与論からイギリスの質屋の話になる。本を見せてもらい、質屋のことを英語で、ポーンショップということを知る。ラックに積まれた本の中から、プロップの本を目ざとくみつけて、こんな本も読むのか、ときくと、「うむ」と頷く。

佐々木家のダイニングには、42型のテレビがあり、それだけではなく、ホームシアターセットがある。ソフトも充実していて、ラックに気になる映画がならんでいる。まさに砂川格差。

DVD『非現実の王国で ヘンリー・ガーダーの謎』を手に取り、題をメモする。ただ、本の話をしているだけで、6時が7時になり、8時になる。いい加減に飯を食いにいこう、と席をたってからも、レーモン・ルーセルと鶴見俊輔の話が尽きない。中座し、中華料理屋にいく。

駅前から察するに、昔ながらの古いスタイルの中華料理屋と思いきや、予期に反して洒落ている。しかも、うまい。あまりのうまさに、満願全席もかくや、とばかりに皿を広げる。はじめて、「ふかひれの姿煮」を食べ、しばし絶句する。味っ子風にはいかない。