2010年

2月

28日

フルタジュンの結婚式

チリでおきた大地震が、22時間後津波になって横浜にやってきた。

その津波の影響で横浜線がだしぬけに停車し、その電車に自分が乗車している。電車の中に閉じ込められて、地球ってやっぱりつながってるんだな、と感動してしまった。感動はしたけれども、車掌席にいって戸をたたき、「結婚式があって、とてつもなく急いでいるのですが」といっても、電車は動かず、かといって窓から走って、スタンドバイミーするわけにもいかず、どうしようと思っていたら、廣瀬から電話があった。

「いま、どこにいるの?」

「……電車」

「とにかくホテルの場所がわかりにくいから、駅降りたら人に聞いて急いでくるんだよ」

了解、といっても電話は動かず、それからしばらくして、電車が走り出し、改札を目指して走り出した。

「不慮の事故とか、家族に不幸とかさ。万が一のことを考えて心配したんだから」

と廣瀬に肩をたたかれながら円卓の皆様に平謝りする。

フルタ氏に土下座をして謝ろうと思ったら、先に泥酔したSくんが土下座しはじめ、それをとめているうちになんだか、わけがわからなくなり、さようならをしてしまった。

フルタジュンの披露宴に参加して、驚いたことが二つある。

それはまず、フルタジュンのプロポーズの言葉で、

「僕の家来になってください」。

あんな美人が、え、こんな台詞で! ころりと落ちちゃっていいんですか!? 

フルタジュンのどてっぱらをグーで殴りたくなるぐらいに魅力的な笑顔で「はい」とご返答されたことと、奥様がはまられている『嵐』の音楽である。

妙に踊れるので、踊ろうと思ったら、廣瀬に、「今はやめといたほうがいいと思うよ」ととめられる。

あんまりよく知らないのだが、披露宴には席次表があり、坐る場所が決まっている。

まわりの人間を見渡すだけで、フルタが気をつかってくれたのがよくわかる。自分が話しやすい其式と福澤くんに囲まれ、まわりはフルタ丸のアイドルや歌姫たちが列席しており、あでやかといったらこの上ない。

披露宴は粛々とすすみ、突如として、フルタ丸の公演『I LOVE YOU』のように、ラジオのネタ番組がはじまる。

それは、新郎新婦の美点を第三位までをあげてください、というもの。

会場にマイクを向けられると、フルタ丸の随一の演技派の役者・星野くんが、すっと手をあげる。役者というのは一挙手一投足が絵になるということを改めて知る。

「新郎、フルタジュンさんのいいところはなんですか」とたずねられていわく、

第三位、

「よく食べること」

第二位、

「決断力の速さ。たとえば、公演で、フルタくんは手術中がどうしてもうまくいえませんでした。どうしても、チュジュツチュウみたいになってしまう。で、チュジュツチュウとしかいえないキャラにかえてしまった。あの決断力の素晴しさは未だに忘れません」

第一位、

「晴れ男。ここぞ、というときは必ず晴れる。天気予報が雨でも、フルタくんがくれば必ず晴れるんです。不思議と」

隣で廣瀬が、「ほんとそうなのよ」とつぶやく。

そういえば今日は午前中までは冷たい雨が延々降っていて、午後からは快晴。

しかし、そのひとの一番の美点が「晴れ男」というのは、まったく盲点であった。これは永い付き合いをしている、星野くんにしか答えられない言葉だった。あと二秒、星野くんが手をあげることが遅かったら、多分、僕は挙手していたに違いないので、手を挙げずに良かったと心から思う。

楽しい結婚式でした。

フルタジュンさま、真歩さま。

ご結婚おめでとうございます。

これからもよろしくお願い致します。

『歩行』 千三屋