2010年

5月

20日

『風の海 迷宮の岸』小野不由美著・講談社文庫

十二国記シリーズの第二弾。

十二の国があり、それぞれ、その国の王は、その国の神獣・麒麟によってえらばれる。

戴国には麒麟がおらず、ながらく王が不在だった。王が即位しない国には妖魔が跋扈し、飢饉が続き、国があれる。国民は王を求めていたが、戴国の麒麟は、時空をこえてつながる日本に流されていた。

十二国では生命は、樹にやどる。ほぼ桃太郎的に木の実に命がやどり、産まれる。ただ、彼方と此方をつなぐ蝕がおこると、その木の実にやどった命が流されて、蓬莱の国、つまり現代日本の、女の胎に宿ることがある。それを胎果といい、戴国の麒麟は、胎果だった。

隣国の延の麒麟に発見された戴国の麒麟・秦麒は、まだ十歳で、麒麟としての能力も、姿ももっていなかった。

自分はこの世界の異分子かもしれない、という不安を抱えた子供が成長していくビルドゥングスロマン。

続編は、少し飛んで『黄昏の岸 暁の天』。