『日本の10大新宗教』島田裕巳著・幻冬舎新書

あらゆる宗教は、新宗教である。

仏教はバラモン教の中から産まれ、キリスト教とイスラム教の出自は、ユダヤ教にある。イスラム教の聖典『コーラン』には、ユダヤ教の預言者モーゼも、イエスも登場する。

新宗教が、既成の宗教になるために必要なものは少なくとも二つある。時間と信者である。

本書では、「新興宗教」と「新宗教」と、言葉を使い分けている。その理由は、新興宗教という言葉自体に、正統的な教団から逸脱しているというニュアンスが含まれているため、中立的な名称として、「新宗教」を使っている。

つまり、オウム真理教を代表とする「カルト」を外すということで、バイアスがかかりやすい宗教を、中立的に見ていこうとする試みに他ならない。

尚、新宗教の「新」とは、必ずしも、宗教の中身としての新しさを意味するものではなく、教団として、集団としての新しさを意味している。

新宗教の大きな特徴は、分派が多いこと、そして教団同士の対立が起きやすいということ。

特定の教祖がいることが多く、その特殊なカリスマ性で教団を統合している。が、いくら神格化されても人間であることにはかわりはなく、その寿命をまっとうするときに、大きな危機、後継者争いや分派が生まれたりする。

とくに分派が生まれやすいのは、教祖が生前、神憑りをし、神のお告げをしている場合である。当然、教祖が亡くなってしまえば新たにお告げの媒介が必要になり、教団は新たな依代を定めようとするが、そうした人間が教祖の家族から出るとはかぎらない。そうなると、教祖の家族と新たな依代とのあいだに対立がおこったりする。また、天理教のように、教団の外側に、依代であることを主張する人間が生まれ、数多くの分派が誕生したりする。

 

現代を生きるための日本縦断宗教ツアー。