『図書館内乱』有川浩著・メディアワークス

『図書館戦争』第二弾。

相変わらず、殺し文句の使い方がうまい。

純情一路の熱血バカ、笠原が、怒れるチビ、堂上に寄せる思いを

 

「あんたの部下であることがあたしの誇りなのに。」

 

とつぶやけば、情報屋のクールビューティー、柴崎麻子が同僚に嫉妬まじりに追い詰められた時、空気を読まずに真っ向から友達をかばう、笠原に抱く思いを

 

「……ああ、だから。

 だからあたしあんたが大好きよ、笠原。」

 

とツイートするのを忘れない。

キラーチューンを聞きたい時にねじこんでくるのは天性の才能か。

 

「万引きの汚名を着てまでこの本を守ろうとしたのは君だ。

その言葉が運命だった。心も将来も鷲摑みにされた。」

 

と、物語が殺し文句を軸に生成されていく。

今回の主役は、当りは柔らかいが正論を貫くことでは誰よりも融通が利かない小牧。

近所の少女、毬江が、少女から女にかわる、まさにそのとき、突発性の難聴に苦しめられる。そんなとき、図書館司書でも小牧が差し出した一冊が、『レインツリーの国』。二人の間をつなぐ、大事な一冊の本が、まさにその図書館の「図書館員の一刀両断レビュー」というブログで、

 

「一言で言って薄っぺらい。身障者をダシにお涙頂戴を狙う思惑が鼻について怒りさえ覚える。キャラクターも人間としての厚みがまったくなく、感情移入できない。デビューしてから今まで読んできたが、今作で見切った。はっきり言ってこれがこの作者の限界。こんなものは小説ではなく自分の願望を投影した妄想だ。この力量ではここから一皮剥けるのも難しいだろう。

 恋愛おままごと的道行きを飲み込める人ならそれなりに楽しめるかも? まあこれはあくまで個人的意見ということにしておくが、買う価値はまったくない。無駄金を使わないためにもぜひ当館で借りて読むことをお勧めする。」

 

と炎上してしまう。辛口の書評は人気を博し、物議をかもすが、同僚である、堂上の

 

「図書館は引き算の理屈で運営するもんじゃない。本の批評は価値を論じる点において引き算の要素を含まざるを得ないし、それは公共サービスの理念とは馴染まない。違うか?」

 

という問いかけから「図書館員の一刀両断レビュー」とそれを包含する集団に対して宣戦布告をする。