『図書館危機』有川浩著・メディアワークス

『図書館戦争』第三弾。

「初代クマ殺し」堂上と、その二代目暴れ馬にして、170cm級戦闘職種大女、笠原のラブコメは終わらない。

三作目のテーマは、「検閲」。

図書館司書講座の教科書になりそうな献立だが、「世相社」の雑誌記者である折口が、カリスマ俳優、香坂大地にインタビューをし、特集本を出す予定だったが、香坂の実家の職業「床屋」がメディア良化委員会から違反語とされていることから、この用語をめぐって、メディアを巻き込んで意見が対立。法廷闘争に発展する。

今回の主役は、喧嘩中年の玄田と、その元・恋人、折口で、瀕死の重傷をおった玄田を折口が見舞う。折口は涙がとまらなくなって、ぽろぽろと涙を流すと、玄田が

 

「勘弁しろ。お前に泣かれるのは苦手だ」

「無茶した罰だと思って見てなさい」

 

という。

 

「これしきのことでくたばるか、バカ」

「普通死ぬわよ、バカ」

 

など痴話げんかの真骨頂とでもいうべき、言葉のラリーで甘い台詞をかわしつつ、一拍間をおいて、殺し文句がとんでくる。

 

「還暦過ぎたら籍でも入れるか」

「前提として生きててもらわないと困るのよ」

 

やはり、甘い。 

しかし、もっと甘いのは、やはり、主人公二人組みの堂上と笠原で、

 

「私は堂上教官の伝令ですから。どんな光景も最後まで一緒に見ます」

 

など、月9も真っ青な、殺し文句は健在。

また、今回で、稲嶺司令が勇退してしまう。殉職した稲嶺司令の奥様が大好きだった花「カミツレ」、カモミール(花言葉は、「苦難の中の力」)の由来が明らかにされる。