『エイリアンの地球ライフ おとなの高機能自閉症/アスペルガー症候群』泉流星・著・新潮社

自閉症には三つの特徴がある。

 

1 地球人社会のルール(特に暗黙知)に気がつきにくい。

2 会話はできても、人とスムーズに気持ちを伝えあうことができない。

3 目の前にない物事や状況を想像しづらく、また適切な判断ができない。

 

自閉症スペクトラムとは、別名、広汎性発達障害といわれ、スペクトラムとは、ひとつの連続体という意。つまり、普通に社会に適応している人も、カナータイプといわれる知的障害をともなう言葉が不自由な自閉症まで、が地続きでつながっているということ。強弱はあっても、普通と断絶はしていない、という考え方。本書は、その普通と、カナータイプの中間に位置する、アスペルガー症候群の著者が書いた、大人向けの、ハウトウ本。

プロソディ(言語学用語、声の高低、大小、抑揚)がコントロールできないや、

 

「私にはどうやら、ねたむっていう気持ちがわからないらしいんだよね。うらやましいっていうのは、わかるんだけど。でも、うらやましい気持ちが強いからって、怒りにはつながらない。ねたみ心は、私の理解を越えてるんだと思う」

 

「本当だってば! 地球人は表情やしぐさ、声の調子といった複雑なシグナルを組み合わせて使うし、そういうシグナルを、無意識レベルでお互いに送りあってるんだよ! 集団になると自然と場の雰囲気が生まれるのは、無意識のうちに人間同士がいわば『共鳴』し合うからなんだ。それって、まさにテレパシー能力って言えるんじゃない?」

 

などの悩みを夫婦(夫:普通=地球人 妻:アスペルガー=異星人)の日常を通じて、赤裸々に綴られている。

全篇とおして、夫(普通)の語りで綴られているが、実際に書いているのは、妻(軽度のアスペルガー)のせいか、一人つっこみ的なスタイルになっている。

文章の濃度は薄い。切実な読者をのぞくと、二番煎じの感否めず。

略歴を読む限り、多分、読まなくてはいけないのは『地球生まれの異星人』だと直覚。