2011年

6月

15日

『インチキ科学の解読法 ついつい信じてしまうトンデモ学説』マーティン・ガードナー著・光文社

この手の本が嫌いではない。

本書のプロローグは、最高だ。

 

「世論調査の結果を見ると、一般の人たちが科学に関していかに無知であるかがよくわかる。アメリカ合衆国の全成人のほぼ半数が、いまだに、占星術や天使と悪魔の存在を信じており、自分たちは、しばしば人間を誘拐するUFOに乗った異星人によって観察されていると思っている。」

 

云々。

3000ドルの受講料と一週間の講習、場合によっては補足コースを追加料金だけで、宇宙のすみずみまで見通すことのできる科学的遠隔視が獲得できると主張し、エモリー大学に恥をかかせつづけている大学教授や、1997年に集団自殺をはかった「天国の門」など、本書は迷信とナンセンスな超常現象、ニセ科学との終わりなき戦いが綴られているのだが、その中に本当にだしぬけにカルロス・カスタネダが登場して思わず吹き出してしまった。キャスリン・リンズクッグを引用しカスタネダは、「彼のほんものの魔術はただひとつ、あのカリフォルニア大学をロバ(ばか者)に変えたことだ」とまで書かれている。

フロイトですら、ナボコフにならって「ウィーンの藪医者」であれば、アイザック・ニュートンは「最後の魔術師」である。

恐ろしいユーモアとともに、ばっさり。

物理学者のジェレミー・バーンスタインはからかうテクニックの重要性について『科学を観察する』のなかでこういっている。

 

「ニセ科学が考えていることを、面白おかしく、実際以上にばかばかしいものに見せることは、生真面目な反論よりもずっと効果的で、しかも、まちがいなく楽しいと思う。しかしその場合、書き手に必要以上にふざける意図がないときでも、読者に軽々しく受け取られるおそれはある。私は、そのリスクは負ってもかまわないと思っている。」

 

参りました。