2011年

10月

19日

面白いは止まらない

北上次郎選の昭和エンターテイメント叢書を続けて読む。ぶっちぎりの面白さ。久々に徹夜をしてしまった。

 

大佛次郎『ごろつき船』上・下

蝦夷地が舞台。松前藩でおこった事件を皮切りに、江戸、大阪、ロシア、東南アジアへとスケールがどんどん大きくなり、毎度、はらはらどきどきする展開で章が終わる。たまらない。蝦夷の舞台設定が、アメリカの無法地帯のようでぶっとんでいる。久しぶりに、朝も、昼も、晩も関係なく読み続けた。

 

藤原審爾『昭和水滸伝』上・下

任侠ものなのに、主人公が完全なる善の剣道家。

かみあわないはずの集団が、圧倒的な剣道家に感化されて一塊の生き物のように時代に立ち向かっていくエネルギーがすごい。藤原審爾の魅力は、人によりけりなんだろうけれど、独特な心情描写はもちろん、小悪党の描き方なんじゃないだろうか。人間が惰気にのまれて小悪党に落ちていく様がなんともいえない。この薄暗い闇の描写力が、この小説を魅力的に浮き立たせている。