2011年

12月

29日

線とだ円の一年

時間というものをどういうイメージできりとるか。

たとえば、ある人にとって一年は線であり、またある人にとっては楕円であったりする。

そのイメージが湧かない人は、手元のダイアリーを見ると自分の時間の捉え方が具体的によくわかる。

一日が上から下に流れる↓のようなイメージの人は、まさしくバーチカルのダイアリーがぴったりくるはずだし、一年がパーカーの矢羽クリップのような→の人は、きっと蛇腹式のダイアリーを使っているはずだ。

自分がイメージするものをそのままトレースしたほうが無理がないのは明らかだし、必ず、そうしたダイアリーに出会えた人ならその有用性については改めていうことはなにもないだろう。

年の瀬というのは一年を振り返ることが慣例となっているようなので、ぜひ、この機会にダイアリーを見返して、来年の計画を立ててもらえればと思います。

 

今月は、ばたばたしていてあまり本が読めず。

 

『沈んだ世界』J・G・バラード

SF小説ですが、バラードの描く世界が貫徹しているのは、執念深く、人類が滅んだ、あるいは滅びつつある世界を描いているということ。未来というのは退屈だ、ということをここまで情熱をこめて書き続けているのがすごい。

 

『本へのとびら』宮崎駿

岩波中心というのが残念だけれども、しかしうれしい。当然、単なるブックガイドでは終わらない。150頁からの「風が吹き始めました。」の一文から点火。駿節がたまらなくいい。

 

『みどりのゆび』ドリュオン

緑の指の話は聞いたことがあったけれど、ちゃんと読んだのははじめてかもしれない。くどいぐらいの設定に抵抗感否めず。最後の一章をのぞけば、さすがフランス人。言葉の使い方が美しい。

 

『森は生きている』サムイル・マルシャーク

旧ソビエトの詩人。ゴーリキーに見いだされた作家。本作は戯曲。一言でいうなら、完璧。ウェルメイドすぎて展開が読めてしまうのが強いて言えば欠点だが、その欠点を補ってあまりあるほどの色彩豊かな言葉が躍っている。

 

『ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら』

全然愉快ないたずらではないところがやはり好き。うんこネタが多いのが時代を感じさせるけれども、道化という視点から眺めた稀有な中世の民話か。

 

『ニッポンの思想』佐々木敦

丁寧だけれども、入門書にまでは咀嚼しきれていないような気がする。蓮実重彦の読解が面白かった。

 

まだまだ読み切れていない本がそのまま机の上に積んであり、どこまで読んだか覚えていない本が何冊もあり、その記憶が日に日に曖昧になっています。

皆様。

どうぞ良いお年を。