2012年

4月

22日

「鵺」

渋谷の能楽堂に謳潮会の「鵺」を観に行く。

シテは、武田祥照 (観世流)。

たしか、ピーター・ブルックだったかが、能はブレーキの暴力だ、とか言っていたような、そんなことを漠然と、舞を観ながら思い出した。身体のタメというのか、制約された空間の中で、感情を爆発させるように、肉体の動きを爆発させるのは、見事というか、美しいという他ない。

鵺は、闇の中に落ちていく亡霊の物語だが、その台詞というか、詞も良い。

「暗きより 暗き道にぞ入りにける 遥かに照らせ 山の端の」

の部分は当たり前のように、和泉式部の古歌にかかっている。

真っ暗に墜ちてしまったものほど、光を、光という名の希望を求めるというような歌だと思うのだが、しみじみいい。

これが教養というのなら、勉強してみにつけたい。

いい舞台だった。