『石の中の蜘蛛』浅暮 三文著・集英社

『カニスの血を嗣ぐ』で「嗅覚」、『左眼を忘れた男』で「視覚」、『石の中の蜘蛛』で「聴覚」、『針』で「皮膚感覚」、『錆びたブルー』では「第六感覚」、『ポルトガルの四月』では「味覚」と、「五感」をテーマにした奇想小説の一作。

楽器の修復を生業にする男が、ある部屋に引っ越したことで、事件に巻き込まれることになってしまう。部屋をでたところで、ひき逃げされ、そこから男の耳に異常が生じ、尋常ではない聴覚を得る。

部屋の中に残った残響から、過去にその部屋に住んでいた人物と、一方的な対話を繰り広げながら、男が巻き込まれた事件を推理し、真犯人に行きつくが、それはとんでもない誤解と狂気をはらんでいた。

最後の狂い方がちょっと残念だが、このシリーズは全部、買い。お勧めいたします。