『藁の楯』木内一裕著・講談社

大分前に紀伊國屋書店で、藤原達也が邪悪に微笑んでいる映画のポスターを見て、久々に劇場に行きたいと思ったまま放置してしまう。結局映画を見に行くタイミングを逃してしまい、小説を読むことに。

驚いたのは解説が漫画家のすぎむらしんいちで、なんでだろうと思っていたら、著者の木内一裕は、なんとあの名作漫画『ビー・バップ・ハイスクール』のきうちかずひろ氏だったとのこと。知らなかった。久しくヤングマガジンで名前を見ないと思ったら、小説に軸足を移していた由。これは嬉しい誤算。

 

二人の少女を強姦した上で撲殺した凶悪犯、清丸国秀に十億円の懸賞金がかけられたことで、物語が大きく動き出す。看守や、清丸の治療にあたっている看護婦、警護の機動隊員、暴力団員、事業が破綻しかかった中年の経営者など、大金に目がくらんだありとあらゆる人々が、清丸を殺害するために凶器を持って襲いかかってくる。検察へ送致するために、福岡から東京の警視庁までの警護を命じられた警視庁警護課のSPチームは、機密情報をリークされ続け、疑心暗鬼になりながら、人間の楯として凶悪犯を守るために凶弾の前に身を投げ出す。

現代詩みたいに改行しまくっているのを別にすれば、ハードボイルドな文章が良かった。