『機龍警察』月村了衛著・ハヤカワ文庫

『機龍警察』のカバーの表紙を見たとき、メカものかと思った。

物語の内容からして当然の装丁なのだが、しばらく読まないだろうがとりあえず押さえとくか、と購入して、案の定そのまま本棚に収納。

それから三年が経ち、都心に行く電車のお供に読み始めると途中で、点火。ページを閉じられず、予定をキャンセルしてそのまま喫茶店に坐って最後まで読む。

物語の設定は、大量破壊兵器が衰退し、その代わりに近接戦闘向けに軍用の有人機甲兵装が開発された近未来。機甲兵装のイメージは、ハインラインのパワードスーツを淵源にするモビルスーツなんだろうけど、読んでた時のイメージは、ほぼパトレイバー。

パトレイバーは超名作漫画ですが、こちらも中々負けていない。

機甲兵装によるテロ事件を発端に警視庁に新設された特捜部は、元外務省のキャリアを筆頭に、機甲兵装の搭乗員として公務員ではなく、三人の伝説的傭兵と契約して発足するが、閉鎖的な警察組織からは足を引っ張られ、直接事件には関れず、突発的に始まったテロ事件が、あっという間に拡大して思わぬ奥行を見せていく。

緻密に構成されたプロットと、ハードな文体が実に爽快で、最後まで読まされます。

警察小説としての評価も高く、密度は『隠蔽捜査』級。実に頼もしいシリーズがはじまりました。